2017年7月15日土曜日

東電、トリチウム水は海に放出へ 入口先生に、海洋投棄される予定のトリチウムについて、お話を伺ってみました。

川村会長が明言、漁業者ら反対
2017/7/14 02:007/14 02:02updated 


入口先生に、海洋投棄される予定のトリチウムについて、お話を伺ってみました。

入口名誉教授
「イギリスでは、現在核燃料の再処理工場から出る高濃度汚染水を領海に直接流しており、イギリス、アイルランドから北欧諸国に至る広い範囲で放射能汚染(主に漁業被害)が起きています。その放射能量は、東電の汚染水の総量よりも多いのではないかと私は考えています。  東電は、福島第一の敷地に約1,000基のタンクを作り、100万トンを超える汚染水を貯めたようです。その量は現在も増え続けています。敷地も、もう限界です。海へ流すしかないのでしょう。  東電は、ALPSという装置を使って汚染水の中のセシウム137などを沸石(ゼオライト)という粘土に吸着させて、セシウム137などの濃度を薄める作業を行ってきました。セシウム137などが完全に除去されたかどうかは分かりません。また、高濃度の放射性廃棄物となったゼオライトをどこでどう保管するつもりなのか、私は知りません。また、トリチウムは除去されていません(トリチウムを吸着する粘土などはありませんから)。  汚染水は、放射線量が国の基準の百万倍程度であったものが、ALPSによって千倍程度まで薄まっているのではないかと私は思います(想像)。すると、タンク1基分の汚染水を流すにはタンク千基分の希釈水が必要です。  太平洋には十分な希釈水があります(面積が約2億平方キロメートル、平均水深が約4キロメートル)。しかし、高濃度汚染水を領海に流すと国内法(原子炉等規制法)に抵触し、公海に流すと「ロンドン条約」、「海洋法に関する国際条約」に違反します。  東電が、仮に福島の沖から毎分10トンの新鮮な海水を汲み取って敷地内で毎分10リットルの汚染水を希釈し、国の基準以下となったものをそのまま海に流しても誰も文句は言えないかもしれません。  日本でも、六ヶ所村の再処理工場に限っては高濃度汚染水を領海に直接流してよいことになっていて(原子炉等規制法から除外されていて)、その理由は、稼働すると毎日トリチウムで60兆ベクレル、なので、毎日100万トンの水でうすめなければ国の基準値を下回らないからです。それをイギリスは実施しています。