2016年12月7日水曜日

熊本大学入口名誉教授「福島第一原発の敷地は高台であったところを海抜12メートルまで削った土地なので地下水脈が浅く、液状化しやすい土地です。沼地になったら石棺を建造することは困難でしょう」

追記
「チェルノブイリは象の足が出来たので石棺出来ました。フクイチのデブリは生きているので石棺は不可能でしょう」は、一理あると私も思います。  福島第一では、運転時には未反応の核燃料を水中で数センチに近づけることによって核分裂連鎖反応を起こさせていました。福一のデブリには未反応の燃料が含まれています。周囲に水があると、水を中性子減速材として連鎖反応が起きる可能性があります。デブリを取り出さないかぎり、その可能性はこれから100万年あるでしょう。連鎖反応が起きてしまったらそれを石棺で封じ込めることはできませんね。福一では冷却水を注入していますが、「水で連鎖反応を引き起こさないように、水で行う冷却」なのですから、紙一重の作業ですね。  一方、チェルノブイリは水を使わない黒鉛炉でした。チェルノブイリのデブリ(象の足)の周囲には水はありません。地下にもコンクリートを流し込んで、地下水とも遮断されています。なので石棺を建造することができました。チェルノブイリの象の足も仮に地下水があるとそれに溶け出して濃縮され、水中で連鎖反応を起こす可能性はあるのですが、現状の石棺が数世紀もちこたえると、そのころデブリの放射能も広島原爆数発分に減少するでしょうから、数世紀後の子孫に取り出しを託することができるでしょう。

以上追記

1~3号機はメルトスルーによって圧力容器が壊れています。  圧力容器が最後に壊れたのは2011年3月14日22:50でした。2号機の圧力容器が設計耐圧「90気圧」を超えて、日本人は「圧力破裂」による東日本喪失の危機を迎えていました。翌3月15日6:00にメルトスルー(炉心貫通)が起きて圧力容器も格納容器も破損して1気圧となり、日本人は「圧力破裂」を免れました。ただ、このとき広島原爆「153発分」の放射能(セシウム137換算)が環境に飛散し、飯館村ほか東北・関東の大量の汚染がこのとき起きました。もしあのとき2号機の「圧力破裂」が起きていたら、1~3号機から少なくとも広島原爆1万発分の放射能が環境に出ていたでしょう。  これから(圧力容器も壊れていますから)圧力破裂が起きることはありません。また、あれから5年半経っていますから、原子炉の下のデブリも自己崩壊熱はかなり下がっており、冷却水が1日くらい途切れても原子炉の下の岩盤を溶かして地下へ落下していくだけの発熱量は少なくなっていると思われます。  ただ、デブリには「未使用」のウラン燃料が含まれていますので、敷地が液状化したり沼地となって建屋や原子炉が倒壊し、格納容器の底部や、液状化した大地とのすき間で「大気開放炉」(Open-Air Super Reactor)なって核分裂連鎖反応を起こすと、「311」をはるかに凌ぐ大惨事となり、国土が広い範囲にわたって人が住めなくなることが起こるかもしれません。 「使用済核燃料」と「デブリの使用済成分」から環境に出てくるかもしれないセシウム137もこれから3世紀経てば千分の1に減少しているでしょう。そのときは、日本人もデブリを遠隔技術などで取り出せるかもしれません。  福島第一原発の敷地は高台で会ったところを海抜12メートルまで削った土地なので地下水脈が浅く、液状化しやすい土地です。沼地になったら石棺を建造することは困難でしょうね。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。