2015年6月18日木曜日

木質バイオマス発電のリスクについて 熊本大学名誉教授入口先生「私は焼いてはいけないと思っています」

追記2
我妻のバイオマス発電所に電話した後に、もう一度、岡山の真庭のバイオマス発電所に電話をして再確認いたしました。「私は福島原発放射能事故後の関東からの移住者です。真庭に自宅購入を検討していますが、先々本当に真庭のバイオマス発電所では絶対に東日本の木片チップを混燃する事は絶対にありませんか?」
その時は女性の方がお電話にお出になりました。そしてこう仰ってました。
「会社といたしましては、運送費用がかかるような採算の取れないことはする予定はありませんが、今後、【国の安全基準に従って】仕事をしていきますから、安全かどうかの感じ方は個々人の感じ方にもよると思いますし、もしご心配が残るようでしたら、このあたりにお住まいをご購入については、ご自身のお考え方1つになるかと存じます。」とご回答いただきました。

追記1
吾妻のバイオマス発電所に電話して確認しました。

最初に電話に出た女性は、4年前から木片チップを燃やして発電をしていますとの事。会社は2011年9月29日に設備されていました。福島原発放射能事故後です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%9E%E3%82%B9%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%B8%80%E8%A6%A7

http://ore30.com/biomass/japan.html

飛灰の放射能検査結果は社内秘だそうです。
一度だけ、煙突からのガスの検査をしたら、NDだったそうです。でも今後はわかりませんとのこと。
又、燃やす前の木片は、今は、木片が入っている車両をガイガーで空間放射線量を測ってるんだそうです。(初期の頃は、ベクレル検査なさってたのとのこと)

他の自治体は一体いつから何を燃やしているんでしょうか?

以上追記

発端は、岡山県の真庭に有る木質バイオマス発電所が今年の4月に稼動し始めたことへの小さな懸念から始まりました。

以前から、薪ストーブで木片チップから作られているペレット薪や海外産の薪を燃やして出た灰からかなりの放射性物質が検出されて、使うのを止めたという一般市民の声を聞いていたので、「木を燃やす」リスクを感じたからです。

(参考 約2年前、お話したことがあると思いますが、ペレットストーブで燃やした焼却灰からセシウム137のみですが223.8Bq/kg検出されたので、よく分かります。西日本の木材を使う場合でも、そのたびに焼却灰を測定依頼するのを考えたら、使う気が失せてしまい、ペレットストーブは封印しました。この結果は、愛媛県産のスギのペレットの焼却灰です→http://f300k.is.land.to/hariga/src/f300k0335.jpg )



一体、何処の木を燃やすんだろう?
相当の犠牲を払って、自費で群馬県から岡山に移住済みの私ですから、気になります。

そこで、真庭のバイオマス発電に使われる木を作っている集成材と木質バイオマスのパイオニア 銘建工業さんへ電話して、質問してみました。
先ず、使っている木は、西日本の木材が主で、後は海外産の木だそうです。
そして、燃やした後に灰の放射能検査の結果も親切にお知らせ頂きました。

検出加減値4ベクレル/kgで飛灰のみが、放射性セシウム137のみが33ベクレル/kg検出されたそうですが、この程度だと、多分日本全国、何処を検査しても出るレベルなんだそうです。
福島由来の134が出なかったことを聞いて、私はホッとしました。

それから、使う木材については「産廃扱い」では無いので、東日本からの移送には費用が高すぎて、採算が取れないので、東日本の木を使う予定はありません、とのことでした。

それにしても、木質バイオマス発電は、首都圏や長野県や埼玉県でも拡大されてます。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1406/16/news025.html

首都圏含めた関東も福島原発放射能事故以来、土壌や森林が汚染されてしまったという認識を私は持っているので、木質バイオマス発電におけるリスクについて熊本大学入口名誉教授に質問してみました。

入口先生
福島由来の汚染があるエリアの木は年々汚染が進んでいて、将来それらを燃やしたら、灰にセシウム137が濃縮されて「放射性廃棄物」となるだろうと思います。
汚染地域の飛灰は吸入しては生活できないでしょう。


埼玉にも親族が居ますが、埼玉の木質バイオマスにはそのリスクはあるでしょうか?埼玉の木片バイオマス発電の行方が気になります。

入口先生
埼玉の木質バイオマスにはそのリスクがあると思います。


飛灰は、外にも飛ぶわけですか?その場合何kmくらい飛ぶんでしょう?
私はむしろ気化しでガス化した放射性物質が恐いと思っていたんですが。
気化した放射性物質は検査しようにも放射性物質だけを測れないように思うんですが・・・pm2.5みたいな扱いになるんでしょうか?

入口先生
私は焼いてはいけないと思っています。

中国で石炭を焼くと、飛灰はpm2.5となって日本へ飛来し、灰の水銀は気化して北半球を一周します。
雨滴となって地上を汚染しながら、偏西風に乗って北半球全体を汚染するだろうと思われます。図は福島第一によるアメリカの汚染です。

又、大気圏で原水爆実験が最も頻繁に行われた1960年代、広島原発で合計3万発分になると考えられます。でも、東京に降り注いで地上に沈着した放射性物質は、1平方メートル当たり10~100ベクレル(年0.00025~0.0025ミリシーベルト)でした。現在の太平洋の海水1トンあたり1ベクレルが当時の原水爆実験の時代の放射能であると考えられます。図は、当時の東京のデータです。
1960年代の東京は1平方メートルあたり10~100ベクレルだったわけですが、これをキログラムに換算するには「÷65」です。

すなわち、1キログラムあたり1ベクレル程度以下でした。

1954年に太平洋沖で「第五福竜丸事件」が起き、同年東宝から「初代ゴジラ」が出現しましたが、あのとき日本人が恐れた「死の灰」の脅威は、現在の福島事故による東京の放射能汚染に比べると、ほとんど「皆無」だったといえます。


日本全国にこれだけあります。バイオマス発電所http://jp.ask.com/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%9E%E3%82%B9%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%B8%80%E8%A6%A7?lang=ja&o=2802&ad=doubleDownan=apnap=ask.com

又、以下は、別の機会に、入口先生と、呼吸についての被曝リスクについてご教授頂いた時のお言葉です。

1.食品による被ばく
 我われは、縄文石器の時代から体内の「炭素14」と「カリウム40」のもつ自然の放射線量「5,300ベクレル」によって「年0.23ミリシーベルト」の内部被ばくを受けて来ました。
 福島第一原発事故が起きる以前は、たとえ原水爆実験の時代でも、どの食品にも放射線量は「1キログラムあたり0.1ベクレル」程度しか含まれていませんでした。
事故後に基準値として「1キログラムあたりセシウム137で100ベクレル」となりました。

 そこで、セシウム137を毎日150ベクレルずつ食べ続けると、摂取と排除のバランスによって1日目は150ベクレル、2日目は299ベクレル、3日目は448ベクレルと蓄積されながら増えつ続け、約1年で体内セシウム137が恒常的に「18,000」ベクレルとなって一定します。
これは自然の内部被ばくの前記放射線量「5,300ベクレル」と合わせると「年1ミリシーベルト」の内部被ばくです。

 私が住んでいます神奈川でも、月回通っています熊本でも、汚染された、しかし基準を満たす食品が流通しています。ストロンチウム90は規制されておりませんが、それを加えると、現在の日本人は外部被ばくが何ミリシーベルトであるかにかかわらず、「年0.5~2ミリシーベルト」の内部被ばくを受けているのだろうと私は推定しています。事故以前は前記しましたように「年0.23ミリシーベルト」だったわけですが。
 
2.呼吸による内部被ばく
 極端な話、大学の実験室にあるような埃一つないクリーンルーム内では、床や壁がたとえ年1ミリシーベルトでも、呼吸によって内部被ばくは起きません。
 一方、何らかの原因で発生した放射能の霧を吸い込むと、呼吸によって外部被ばくの何十倍、あるいは何百倍もの内部被ばくを受けるでしょう。

 なので、呼吸によって生活環境(外部被ばく)の何倍の内部被ばくを受けるかは、その環境によってあまりにも大きく左右されますから、一概にこれこれとは言えません。

 でも、私はご質問に対して自分では最善と思う回答をしなければなりません。

 現在の東日本の普通の環境は、土埃、花粉、PM2.5、霧、灰、カビなど、浮遊する「放射性物質」に満ちており、呼吸によって「生活環境の何倍か」の被ばくが起きていると私は考えています。
 肺が特に被ばくしやすい理由は、
(1)肺は、テニスコートくらいの表面積(約60平方メートル)があって、放射性物質を吸着しやすい。(2)肺は、いったん汚染されると、何年もの間汚染されたままとどまる。
(3)肺に吸入された放射性物質は、重量わずか1キログラムの肺に集中して高濃度の「ホットスポット」となってしまうからです。

  国際放射線防護委員会(ICRP)は、生涯を通じて平均年1ミリシーベルトまたはそれ未満の環境で生活することを推奨していますが、それは呼吸によって年数ミリシーベルトの内部被ばくを受けることを織り込んでいるのではないかと私は推定しています。

 以上から、生活環境(外部被ばく)が仮に年1ミリシーベルトである場合は

典型的には食品による内部被ばくは年1ミリシーベルト、呼吸による内部被ばくは年5~10ミリシーベルトだと私は考えています。

もっとも、室内の畳の上などで暮らす大人に比べて、埃まみれ泥まみれになって遊ぶ子供の呼吸による内部被ばくは深刻であり、私のこのような推定など問題にならないくらい高いだろうと私は真に心配します。


以上、入口先生からのアドバイスです。

私、思いますに、福島原発放射能事故後、4年以上が経過して、国策により、西日本へ放射能汚染は拡大されてしまった今、移住については、色んなリスクについて考慮して処さないとならない局面に既に来ていると思ってます。
全ては自己責任。そういう国ですから。




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